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DESIGINIDEAS
2007.2
LEDを光センサーとして使い、照明強度を計測
Dhananjay V Gadre/Sheetal Vashist インドNetaji Subhas技術研究所
 最新のLEDは表示用や照明用といった一般的な用途だけでなく、光起電力型の検知器(光センサー)としても使用できる*1)*2)。赤色LEDを電圧計に接続し、そのLEDに、同じく赤色LEDのような高輝度光源からの光を照射すると、電圧計は1.4V以上の電圧を検出する(図1)。
 この動作は、LEDの等価回路によって説明できる。逆バイアスされたLEDの等価回路は、充電されたコンデンサと、入射光の強度に依存する電流源の並列回路によって表現できる。入射光の強度が強くなると電流が増大し、コンデンサの放電が急速になる。
LEDは光センサーとしても使用できる
図1 LEDは光センサーとしても使用できる
同じ種類のLEDを2個、暗い箱の中に近接させて配置する。一方のLED(光源用)を発光させると、電圧計に接続されたほうのLED(センサー用)には光強度に応じた電圧が発生する。抵抗Rの値は、光源用LEDの順方向電流が適切な値になるよう設定する。
光センサー回路の概念図
図2 光センサー回路の概念図
  図2に示したのは、LEDを光センサーとして使用する方法の概念図である。マイクロコントローラ出力の1つ(2番端子)をLEDのカソードに接続するとLEDは逆バイアスされ、その内部容量がマイクロコントローラの電源電圧レベルで充電される。次に、スイッチの切り替えによってLEDのカソードをマイクロコントローラの入力(3番端子)に接続すると、LEDはハイインピーダンス負荷に接続されることになる。ここでLEDに光を照射すると、光電流が発生する。すると、電源電圧レベルで充電されていたLEDの内部容量が放電して光電流が流れ、内部容量の両端の電圧が低下する。この電圧がさらに低下してマイクロコントローラの入力閾(しきい)値以下になると、3番端子には論理値の「0」が入力されることになる。入射光の強度が高くなるほど内部容量の放電が急速になり、入射光の強度が低くなると放電速度は遅くなる。マイクロコントローラの内部では、3番端子の入力電圧が論理値の「0」になるまでの時間が計測され、その結果を入射光の強度に換算する。なお、マイクロコントローラにより、光センサーとして使用されるLEDそのものを入射光の強度に比例する周波数で発光させることも可能である。
 図2の概念図をベースとした実際の回路図を図3に示す。図中のD1は直径3mmの高輝度LED(台湾Everlight Electronics社製)であり、光センサーの用途に適するよう透明レンズ付きとなっている。図3の回路はわずか4個の部品で構成されており、3.5V〜5VのDC電源で動作する。マイクロコントローラとしては、米Atmel社製の「AVR Tiny15」を使用している。同製品の6本の端子のうち3本だけを使用しており、残りの端子は外部デバイスとの通信など、ほかの目的に使用できる。LED(D1)はマイクロコントローラのポート端子PB0とPB1に接続する。ポート端子PB3は、入射光の強度に比例する周波数の方形波を出力する。
光センサー回路の実際の回路図
図3 光センサー回路の実際の回路図
LED(D1)が検知した光強度に比例する周波数の方形波がPB3端子から出力される。同時に、それと同一の周波数でLEDが発光(点滅)する。
 この回路の動作は次のようになる。まず初めにLEDを所定の期間だけ順方向にバイアスし、次に逆方向にバイアスする。このバイアスの切り替えは、PB0とPB1からの出力パルスによって行う。その後、PB0を入力端子モードに切り替え、PB0に印加される電圧が論理値の「1」から「0」に低下するまでの時間Tを内部タイミング回路によって計測(カウント)する。PB0の入力レベルが「0」になった後、LEDが順方向にバイアスされるようPB0とPB1を再設定する。以上で1サイクルが完了する。
 計測した時間Tは、LEDへの入射光の強度の逆数に比例する。入射光の強度が低いとLEDの発光周波数(頻度)は低くなり、入射光の強度が高くなると発光周波数は高くなる。これにより、入射光の強度を視覚的に確認することができる。
図4 順方向電流と出力信号周波数の関係
縦軸はIC1の3番端子からの方形波出力の周波数、横軸の順方向電流は、光源用LEDの光電流量を表す。
 図3の回路を用いて、入射光の強度とLED発光周波数の関係を実測した。この実験では、光源用LEDはセンサー用LED(図3のD1に相当)と同じ種類のものとした。実験時の注意事項として、センサー用LEDに光源用LED以外からの周辺光が入射しないようにする必要がある。そのため、外側を黒いテープで覆った管の中に両方のLEDを配置した。
 LEDからの光出力は、順方向電流が小さい範囲では順方向電流にほぼ比例する*2)。そこで光源用LEDの順方向電流を0.33mA〜2.8mAの範囲で変化させ、その電流値とセンサー用LEDの発光周波数の関係を計測した。その結果は図4のようになった。
 センサーとしてのLEDの効率は、逆バイアス時の内部電流源と内部容量に依存する。逆バイアス時の光電流を推定するために、センサー用LEDと並列に1MΩの抵抗を接続し、光源用LEDから一定強度の光を照射したときに抵抗両端に生じる電圧を計測した。続いて、抵抗の値を1MΩから500kΩ、100kΩと順次変更し、同じ計測を繰り返した。計測の結果、光電流は3種類の抵抗のいずれに対しても約25nAとなった。
 逆バイアス時の内部容量(実効接合容量)の値は、次の計算式により求められる。
dV/dt=I/C
 ここで、dVはマイクロコントローラの入力が論理値「1」と「0」のときの電圧差、dTはLEDの内部容量の放電が完了するまでの時間、IはLEDの光電流の計算値、Cは内部容量値である。計算の結果、今回使用したLEDの場合、容量値Cは25pF〜60pFとなった。この値は参考文献*3)*4)で報告されている値と同等である(ただし、参考文献*3)では電流源の特性しか報告されていない)。
 図3の回路を試した際に用いたマイクロコントローラのアセンブラプログラムをhttp://www.edn.com/061109di1からダウンロード可能にしているので、そちらも参考にされたい。

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参考文献
*1)
Dietz, Paul, William Yerazunis, and Darren Leigh, "Very Low-Cost Sensing and Communication Using Bi-directional LEDs," Mitsubishi Research Laboratories, July 2003.
*2)
Petrie, Garry, "The Perfect LED Light," Resurgent Software, 2001.
*3)
Miyazaki, Eiichi, Shin Itami, and Tsutomu Araki, "Using a Light-Emitting Diode as a High Speed, Wavelength Selective Photodetector," Review of Scientific Instruments, Volume 69, No. 11, November 1998, p.3751, http://rsi.aip.org .
*4)
"Optocoupler Input Drive Circuits," Application Note AN-3001, Fairchild Semiconductor, 2002.
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