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Dhananjay V Gadre インド ネタジスバス技術研究所 |
LEDは種々の発光色を実現する高出力/高効率の光源として利用できることから、多くの分野で脚光を浴びている*1)。安定した発光出力を得るために、多くの場合、LEDに流す電流を制御する。LEDから効率良く光出力を取り出すには、通常、DC電圧を得るために、降圧型または昇圧型のスイッチングレギュレータ(以下、それぞれ降圧コンバータ、昇圧コンバータ)を用いることになる。
図1に示すのは、白色LEDの駆動回路の一般的な例である。LEDと直列に接続する抵抗Rは、LEDの駆動電流を設定するために使用する。この抵抗の値は、LEDに流すべき電流値と降圧/昇圧コンバータの制御に必要なフィードバック電圧の値を基に設定する。例えば、LEDを流れる電流が100mA、必要なフィードバック電圧が1.23Vである場合、抵抗Rの値は12Ωとなる。
この抵抗で消費される電力を低減する目的で、図2に示す回路もよく使用される。この回路構成であれば、抵抗での消費電力はアンプの効果により減少する。アンプの増幅度がAであるとすると、この部分での消費電力は図1の場合に比べて1/Aとなる。
図1、2の回路構成によるLED電流の安定化機能は、LED周辺の温度が一定に保たれる場合には良好に働く。しかし、LEDは発光色によらず周囲温度が変わると発光出力が著しく変化する*2)。典型的な出力変化率は100℃の温度変化に対して40~150%に達する。従って、周囲温度の変動が予想される場合には、LEDに流す電流を安定化するだけでは不十分となる。
このような問題への対処策として、光を利用したフィードバック回路を用いる方法がある*3)。これを実現するには、通常であれば高価な光センサーとアンプ回路が必要となる。しかし、これについてはLEDを光センサーとして用いる方法*4)により解決できる。本稿では、この手法を利用し、LEDを安定に駆動する回路を紹介する(図3)。
この回路では、白色LEDの駆動用降圧コンバータとして「LM2575」を使用した。白色LED(直径10mm)からの発光出力の検出には透明パッケージの赤色LED(直径3mm)を用いる。白色LEDの発光波長範囲は十分に広いので、赤色LEDでも十分に検知可能である。60mAの電流で駆動した白色LEDからの光の照射を受けると、赤色LEDには約40mVの電圧が発生する。この回路では、赤色LEDに発生する電圧を降圧コンバータのフィードバック電圧として使用するので、赤色LEDの出力は降圧コンバータが必要とする1.23Vに整合するよう増幅度30のアンプ回路で増幅する。
アンプ回路にはデュアルオペアンプ「LM358」を使用し、抵抗R1、R2、R3によって増幅度を設定する。オペアンプの電源には降圧コンバータへの入力となるDC電源をそのまま使用する。R1、R2、R3の値はそれぞれ270kΩ、560kΩ、10kΩである。これらのうち、R2は可変抵抗であり、この値を変更して増幅度を変えると、白色LEDに流れる電流量を調整できる。言い換えれば、R2は光出力の調整用として用いることが可能である。なお、アンプ回路の増幅度はR2の値に応じて28~84の範囲で変更できる。
赤色LEDは白色LEDの出力を受光できるよう白色LEDの側面に取り付ける。赤色LEDのパッケージの頭の部分をヤスリによって平面状にし、白色LEDの片側面に強力な接着剤で張り付ければ動作が確実になる。
降圧コンバータのLM2575はデューティサイクルを制御して出力電圧を安定化する。周囲温度が上昇して白色LEDの発光出力が低下した場合、その低下量に比例して赤色LEDの出力電圧が低下する。この出力電圧を降圧コンバータのフィードバック端子(4番端子)に入力すると、降圧コンバータのデューティサイクルが上昇し、出力電圧が上昇する。これに伴って、白色LEDの光出力の低下分が補われ、安定化が図られる。逆に周囲温度が低下した場合には、白色LEDの光出力が増大し、それに対応して降圧コンバータの出力電圧が低下する。これにより、光出力の安定化が実現される。
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