MAGAZINE ARTICLES

Pulse

低コストFPGA「Cyclone」の第4世代品、
トランシーバ搭載版も

[issued: 2009年12月号]

 日本アルテラは2009年11月、同社の低コスト/低消費電力のFPGAファミリ「Cyclone」の製品ラインアップを拡充、「Cyclone IV」として新たに2シリーズを発表した。

 発表したのは、トランシーバを内蔵した「Cyclone IV GX(以下、GX)」シリーズと、低消費電力化を進めた「Cyclone IV E(以下、E)」シリーズ。いずれも、60nmの低消費電力プロセスを採用しており、ワイヤレス機器や放送機器、通信機器、民生機器、産業機器といった幅広い分野をターゲットとしている。量産出荷については、GXシリーズの「EP4CGX15」(1万4000個のロジックエレメントと2個のトランシーバを搭載)と、Eシリーズの「EP4CE115」(11万4000個のロジックエレメントを搭載)を2010年第1四半期より開始する。25万個購入時の単価の一例として、EP4CGX15は6米ドル、「EP4CE6」(6000個のロジックエレメントを搭載)は3米ドルとなっている。


写真1 Altera社のVince Hu氏
 GXシリーズの特徴は、低コストでありながら通信速度が3.125ギガビット/秒(Gbps)のトランシーバを搭載している点である。最大15万個のロジックエレメント、最大6.5MビットのRAM、最大360個の乗算器(18×18換算)に加え、トランシーバを最大8個内蔵する。アルテラはトランシーバを搭載したFPGAを数ファミリ発表しているが、Cycloneではトランシーバ搭載品は初めてとなる。ただし、ほかのファミリに搭載されているトランシーバは通信速度も速く、コストが割高になる可能性がある。そこで、低コストをうたうCycloneファミリ向けに、新たにトランシーバを開発して採用した。その設計上のポイントとして、米Altera社でプロダクト&コーポレート・マーケティングのバイスプレジデントを務めるVince Hu氏(写真1)は、「サポートするプロトコルを必要なものだけに絞り込んだことと、PLL(Phase Locked Loop)の数を削減したこと、プリエンファシス/イコライザ機能を削除したこと」を挙げた。特にPLLについては、「Cyclone IIIには、PLLを6個搭載しており、それが大きな面積を占めていた。GXシリーズではそれを2個に減らしている。これによってチップサイズを縮小することができ、低コスト化につながった」と述べている。

 サポートするプロトコルは、PCI Express(PCIe)、ギガビットイーサーネット(GbE)、CPRI(Common Public Radio Interface)、シリアルRapidIO、DisplayPort、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)など。特に、PCIeについては、前世代の「Cyclone III」ではサポートしていなかったものである。

 用途の1つとして考えられるブリッジ機能(インターフェースを変換する機能)も、Cyclone IIIに比べて低消費電力で実現することができる。例えば、PCIeからGbEへの変換を1.5W未満で行えるという。電源電圧は1.2Vで、Cyclone IIIと変わらない。パッケージについてもコスト削減のために、ワイヤーボンディング構造を採用した。外形寸法は、最小のもので11mm×11mm、ピッチは0.5mmとなっている。

 一方のEシリーズは、低消費電力であることが最大の特徴となっている。60nmプロセスを採用して電源電圧を1.0Vに下げたことで、Cyclone IIIに比べて消費電力を最大25%削減した。ただし、電源電圧を低くしている分だけ性能は少し下がってしまう。この点について、Hu氏は、「もともと性能の面で余裕を持たせていたので、多少性能が下がったとしても、競合他社品に比べて何ら遜色のない製品を提供できている。顧客には、性能重視の場合はCyclone IIIを、消費電力重視の場合にはEシリーズを勧めている」と説明する。Eシリーズは、最大11万4000個のロジックエレメント、最大3.9MビットのRAM、最大266個の乗算器(18×18換算)を搭載している。パッケージは、GXシリーズと同様にワイヤーボンディングタイプ。外形寸法は、最小のもので22mm×22mm、ピッチは0.5mmである。

 開発ツールとしては、既存の「Quartus II 開発ソフトウェア v9.1」により、GXシリーズの一部をサポートできるようになっている。GUI(Graphical User Interface)によってプロトコルを設定できるなど、設計を容易にする工夫を付け加えたという。なお、Cyclone IVの全品種を網羅する開発ツールとしては、「Quartus II v9.1 SP1」を用意する予定だ。

(村尾 麻悠子)

Sponsor Links [ PR ]

関連情報  by  Supplier Showcase

EDN RESOURCE CENTERpowered by Supplier Showcase

  • ZeBu-MMB Multi-Media Board ZeBu-MMB Multi-Media Board

    ZeBu Multi-Media Board (ZeBu-MMB) は、ZeBu検証プラットフォームをマルチメディアやコンシューマのアプリケーションで必要なあら…[日本イヴ]


  • ZeBu-UF Ultra Fast Emulator ZeBu-UF Ultra Fast Emulator

    新しい検証アプローチEVE は、ハードウェアに支援された、全く新しい検証アプローチを切り開いてきました。これは、従来のエミュレーションとラピッド・プロトタイピン…[日本イヴ]


SPECIAL CONTENTS [ PR ]

最新ニュース

このコーナーのバックナンバー

キーワードタグ一覧