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パテントトロール問題を受け、新たなIPビジネスが急増

[issued: 2009年1月19日]
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 世界的に経済状況が悪化している今は、新しく事業を始めようとするには、まさに最悪の時期と言えるかもしれない。ところが、IP(Intellectual Property)の業界では、数カ月に1社ほどのペースで、新たなIPビジネスモデルを提案する企業が相次いで誕生している。

 IPの世界では、「パテントトロール」が問題となっている。保有している特許を利用した製品の製造/販売などは行わず、大企業などに対して特許侵害を主張して損害賠償やライセンス料を得ようとする者が存在するのである。最近では、特許を売買することで利益を得ようとする企業家/ベンチャーキャピタリスト/ヘッジファンドなどの投資家が増えてきている。

 米PCT Capital社の出資者の1人でCEO(最高経営責任者)を務めるRaymond Millien氏は、「IPを利用した新たなビジネスモデルが急増してきている。従来のような特許事務所や特許ポートフォリオを有する企業のほかに、数多くのビジネスモデルが登場しつつある。こうしている間にも新たな企業が誕生している状況だ」と述べる。

 そうした企業の1つに、2008年9月に正式に発足した米RPX社がある。同社は、米Intellectual Ventures社の前取締役2人とIPを専門とする弁護士1人が共同で設立した会社で、ベンチャーキャピタルである米Kleiner Perkins Caufield&Buyers社および米Charles River Ventures社の支援を受けている。同社のビジネス形態は、企業団体のAllied Security Trust(AST)と類似している。

 ASTのCEOを務めるDan McCurdy氏は、「RPX社もASTも、パテントトロール問題を解決することを目的としている点は同じだ」と述べる。ただ、ASTは非営利組織であるのに対し、RPX社は営利目的の企業である。さらに、ASTはメンバー企業が個々に特許の購入を判断するが、RPX社では同社の担当者がメンバー企業に相談することなく、購入する特許や権利を決定して、ポートフォリオをすべてのメンバー企業にライセンスする。RPX社の共同設立者でCEOのJohn Amster氏によると、「当社のベンチャーキャピタル基金は、IP市場における2大要素である特許とライセンス権を迅速に購入するための俊敏性や自主性をもたらす」という。

 2008年12月の時点で、RPX社のメンバー企業は米Cisco Systems社と米IBM社を含むわずか5社ほどであった。しかし、Amster氏は、「2009年末までに20数社程度にメンバー企業を増やし、1億米ドル規模の特許権を購入したいと考えている」と述べている。RPX社は、メンバー企業の売上高や利益率に応じて3万5000~490万米ドルの変動加入料金を要求している。同社はできるだけ多くのメンバー企業を獲得したいとしているが、これは加入料によって売り上げを得るのに加えて、「最終的にパテントトロール問題を解決できるだけのIPの買い取りを目指しているため」(同氏)だと説明する。

 AST社と同様、RPX社も「訴訟問題にならないように、パテントトロールから企業を守ることを目的としている」という。ただ、RPX社は企業を同社のメンバー企業に取り込むために、特許の取り引きを利用しようとしている。例えば、メンバー企業の永久ライセンスが保障されれば、特許を市場へ売り戻すといったことも考えられる。Amster氏は、「いずれ、どこかの企業がそれらの特許を手に入れ、ほかの会社に対して特許侵害の訴えを起こすといったことも可能性としてあり得る」と述べる。

 Amster氏は、「これは決して脅しではなく、非メンバー企業が特許購入者からの脅威にさらされる可能性を述べているだけだ」と語る。ただ、このことはパテントトロールの戦略に似ているようにも聞こえる。実際、Amster氏は、「パテントトロールのビジネスモデルに意義を唱えるつもりはない、積極的なライセンシングは悪いことではないと考えている」としている。

 このほか、PatentFreedom社もパテントトロール関連の情報を調査/販売する新たなIPビジネスを2008年春に立ち上げた。同社は当初、大企業に対して5万~7万5000米ドルの年間加入費を要求しようとしていたが、現在は年間1万5000米ドル程度の価格帯で幅広い企業を獲得しようとしている。AST社のMcCurdy氏によると、「政府機関をはじめ、多くの法律事務所や企業などがPatentFreedom社のデータに興味を示している。1万5000米ドルという金額は、1件の特許出願に要する費用と同程度だ」と述べている。

(Electronic News)

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